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光源の位置 (2000/06/23)


地図投影法は光源の位置によって分類することができます。光源の位置を変化させると、スクリーンに写し出される影は、大きさだけでなく形状も変化します。さらに補正を加えたり、投影の原理を応用して光源を使わず数学的に作り出した投影法も存在します。正しく表現できる性質に最も大きく影響する要素です。



■ 投射図法 (perspective projection)

1点に光源を置いて投影面に映し出す方法で、透視図法ともいいます。光源の位置によってさらに5つに分類できます。心射図法以外で投影面が円筒と円錐のときは、一度に投影するのではなく、軌道上で光源を移動させながら投影していきます。このとき地球の中心軸を通過した光だけが投影面に到達すると考えてください。

心射図法 平射図法 正射図法 内射図法 外射図法
地球の中心に光源を置きます。円筒や円錐に用いると周辺部が極端に拡大されてしまうため、普通は方位図法に対して用いられます。方位図法では投影できる領域は半球よりも狭くなります。
投影面と反対側の地表に光源を置きます。方位図法では半球以上の投影が可能ですが、PTOLEMYでは半球に制限しています。
投影面と反対側の無限に遠い位置に光源を置きます。直射図法ともいいます。光線は平行であると考えてください。投影面の形状に関わらず用いることができます。
地球の内部の中心以外のどこかに光源を置きます。PTOLEMYではサポートしていません。 地球の外部のどこかに光源を置きます。この図法では地球の中心から光源までの距離を指定する必要があります。方位図法では半球よりも広い領域の投影が可能です。
心射図法の解説図 平射図法の解説図 正射図法の解説図 内射図法の解説図 外射図法の解説図


■ 非投射図法 (non-perspective projection)

投射図法に補正を加え、目的の性質が得られるように改良したものです。面積や角度が正しく表現できるように、正軸法であれば緯線間隔を補正する図法などがあります。

(図:アルベルス正積円錐図法では高緯度を圧縮して面積を正しくしている)
アルベルス正積円錐図法の世界図


■ 擬図法 (pseudo projection)

光源の位置を変えたり、補正を加えるだけでは、満足のいく性質が得られない場合もあります。そんな場合には、投影の原理から外れて大きく変形させた図法を用います。たとえば、半球程度しか投影できない方位図法を横へ拡張して全世界を投影したり、長方形になる円筒図法の経線を収束させて楕円形に収めたり、隙間ができるはずの多円錐図法を変形させて隙間をふさいだりする、など多くの図法が考案されています。これらを「擬図法」あるいは「便宜図法」といいます。オリジナルとなった図法の投影面の形状により、擬方位図法擬円筒図法擬円錐図法に分類されます。

(図:サンソン図法は円筒図法の経線を極に収束することで正積を実現した)
サンソン図法の世界図



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